ボーム&メルシエ ムーンフェイズ ウォッチ
コンプリケーションウォッチのなかでも、ムーンフェイズは永くご愛用頂けるお時計です。古代から現代において、私たちは太陽や月の動きの変化で時を刻んでいます。今もなお必要とされ支持されているムーンフェイズ ウォッチの特徴をご紹介いたします。
ムーンフェイズ ウォッチとは
月の満ち欠け(月齢)がダイヤルの窓に表示される時計を、ムーンフェイズ ウォッチといいます。最近のムーンフェイズ ウォッチは、機能性というよりは美的なデザインに重きがおかれ、月の満ち欠けが表現されることでラグジュアリーな時計にロマンティックなムードが加わります。
あらゆる形で時を捉えようと追求を続けてきた時計師たちは、何世紀にも渡り月が満ち欠けする様子を時計で表現してきました。紀元前205年までさかのぼると、古代ギリシャのタイムキーパー(時計記録係)たちは、月や惑星の位置、古代オリンピックの開催日を表示する初期の機械式ムーンフェイズ ウォッチ「アンティキティラ」を生み出しました。
それから1000年以上経った頃に、最初の天文時計が作られました。その時計は、複雑な構造を持ち、非常に凝った装飾が施され、月や惑星の周期が表示されていました。当時、ムーンフェイズは最高級の時計だけに施されている機能でした。このような理由から、今でもムーンフェイズ ウォッチは、ラグジュアリーさと高度なクラフツマンシップとの密接な繋がりがあるのです。
ムーンフェイズ ウォッチの種類
年月と共に、月齢モデルの時計のスタイルは劇的に変化しました。以前はバラ色に輝く月面でしたが、現在のスイス製ムーンフェイズ ウォッチは、エレガントにきらめく最高に美しいムーンフェイズへと進化しています。
例えば、メンズ 自動巻き クリフトン ボーマティック 10547の場合、デイ/デイトを示す小さな針とピンクゴールドのムーンフェイズ ディスクが特徴的です。プロメス 10347 のように、文字盤の中央にムーンフェイズが表示されているものもあります。このレディス クォーツ ムーンフェイズ ウォッチは、ダイヤモンドがベゼルにセットされ、ブルーのダイヤルが星空を彷彿させます。
ムーンフェイズ ウォッチには様々なスタイルと種類がありますが、主に2つに分けられます。まず1つめは半三日月の小窓からのぞくムーンフェイズ、2つめは針で月の満ち欠けを示すムーンフェイズです。レディス クォーツ クラシマ 10329のムーンフェイズは、半三日月の小窓から見えるムーンディスクで月齢を確認することができます。ダイヤルのポイントダイヤとムーンフェイズがエレガントな印象です。
ムーンフェイズ ウォッチの仕組み
ムーンフェイズ ウォッチのムーブメントは、月の満ち欠けの周期にもとづいています。月の周期とは、太陽と地球の位置関係が変わることで形が変化する月が、元の位置に戻ってくるまでに必要な平均日数のことをいいます。平均周期は29.53日です。
月の満ち欠けは、沢山の小さな歯がついたホイールでムーンフェイズ ディスクを回転させて表示されます。通常、ホイールには59個の歯が付いており、ムーンフェイズ コンプリケーションのディスクには2つの同じ月が描かれています。1つは小窓越しに見える月で、もう1つはダイヤルの下に隠れています。高精度を極めるムーンフェイズ ウォッチの中には、135個の歯が付いたホイールが使われているものも存在します。
月の周期は、ホイールの爪でムーンディスクを1日1回転させて表示されます。ディスクに描かれている2つの月の1つが1つ目の周期を示し、2つ目の月で次の周期が示されます。このように、59個の歯で2周期(29.5日x 2回)が表示されます。
ムーンフェイズ ウォッチの調節の仕方
実際の月の周期は29.5日よりも少し長いため、約3年に1回、59個の歯が付いたホイールを回してムーンフェイズの表示を調整する必要があります。また、お時計購入時にセットが必要となる場合がございます。
ムーンフェイズ ウォッチをセットアップまたは調整するには、ウォッチケースの側面にある隠しボタンを押します。ケースに傷を付けないようあまり鋭利ではないプッシュピンなどのツールでボタンを押しながら調整し、正しい月齢になるまで月を動かします。
ボーム&メルシエのムーンフェイズ ウォッチは非常に精巧に作られているため、頻繁に調整する必要はありません。